最近話題の感染症

かぜ症候群

「かぜ症候群」は、くしゃみ、鼻みず、咽頭痛、咳、発熱、など一般には上気道の炎症症状を示す疾患の総称で、こどもの日常生活ではもっとも多い病気です。
原因は、90%以上がウイルスであり、時には細菌との混合感染もあります。
おもな病原ウイルスとしては、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルスなど多岐にわたり、細菌性の物では、溶連菌感染症、インフルエンザ菌、百日咳菌、その他マイコプラズマなどがあります。
乳児では下気道感染症(気管支炎、肺炎)に進展することもあり、近年RSウイルスによる感染症が、注目されています。

RSウィルス

RSウイルスは、日本を含め世界中に分布しており、何度も感染と発病を繰り返します。
生後1年までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子が少なくとも1度は感染するといわれています。症状は軽いかぜ様の症状から、重い肺炎まで様々です。
典型的には、4日から6日の潜伏期を経て発熱、鼻汁、咳などの症状が続き、多くは軽症ですが、一部のこどもでは咳が強くなり、喘鳴や呼吸困難が出現して、細気管支炎や肺炎へと発展して行きます。

低出生体重児や、心臓、肺に基礎疾患があったり、6か月未満(とくに3か月未満)の乳児では、細気管支炎を起こし入院が必要になることもあります。
生後1か月未満の子が罹ると、非定型的な症状を示すために診断が困難な場合があり、突然死につながる無呼吸を起こすことがあります。

例年冬に流行のピークがみられますが、2011年以降は、7月頃から報告数が増えており、2013年も7月頃より徐々に報告数の増加傾向がみられ、9月には急激な増加がみられました。

かぜをひいた子は、生まれたばかりの赤ちゃんのところへ連れていかないこと、また高齢者でも重症化することがあるので、高齢者施設へもおみまいに行かないようにして下さい。

ヒトメタニューモウィルス

気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこすウィルスの一種で、1歳~3歳の子どもの間で流行することが多いのですが、大人にも感染する場合があります。
咳の場合、1週間程度続くのが特徴で、症状は治まります。しかし、1回の感染では、免疫が獲得できません。
ヒトメタニューモウィルスは、感染症ですので、帰宅後の手洗い、うがいを徹底しましょう。

こども達みんなが元気で楽しく過ごせますように、お祈りしています